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アルジャジーラに掲載された、リビア内戦の見方

 前回の記事の続きです。
 アルジャジーラに載っていた社説のようなものだと思います。コロンビア大学アジア・アフリカ学科博士課程学生、アメリカでの作家活動、と言う肩書きを持つリビアの方の記事を翻訳し終わりました。
Libya: Making something out of nothing
 著作権に触れるので、訳文を載せるわけには行きませんが、ポイントを所々かいつまんでみます。
■リビア人は無知か?
 いいえ、違います。特に、暫定政権にはリビア各地の有力者や専門家がはせ参じています。
 そもそも、リビア人の識字率は高く、特にデモ隊のいる都市部では教育レベルはアラブ有数に数えられます。実際にカダフィ政権では教育は重視されており、国公立大学は無料です。
 しかし、西側では暫定政権に関し、このような十分に教育を受けた人がたくさん集まっていることにほとんど触れられることはありません。
 私も、日本の報道で、暫定政権に教育をきちんと受けた人が集結しているというような報道はほとんど見た記憶はありません。ほとんどの報道がどこの都市がやられ、何人死亡したかを伝えるのみです。印象としては、このアラブ人達は大丈夫なのかなと言う一抹の不安ばかりが残っていましたが…どうも実情は違うようです。暴徒や過激派の類ではありません。

 この暫定政権を認めているのは、当時(今も?)フランスとカタールのみ。
 なぜなんでしょう。少なくともカダフィ独裁体制よりはまともな政治が出来そうですが…
 この方もおっしゃられていますが、やはりこのことに触れないのは、西側にとって都合の良い政権を作りたいという思惑が働いているのではないでしょうか?



■部族社会って何?

 いま、日本は勿論、西側各国で伝えられているリビアの部族社会のせいで民主化が難しいという見解は、間違っているわけではないですが、しかしそれはいつの話しだよ。と言うことのようです。リビアの田舎では確かに部族社会が重要なようなんですが、
「海外旅行しているリビア人は、街中でテントを張ったりしないよ」
 と西側諸国の学者の意見を揶揄されています。ニュアンス的には、都会的なリビア人、つまりもっと推理すると、世代が若いリビア人にとって、部族社会がそこまで重要ではないのかも知れません。或いは、重要だが絶対ではないと言うことかも知れません。

 これ、実はカダフィ大佐が外国向けにかねてから話していたことを、そのまま事実として報じているのが実情のようで、実際の市民生活は少し様子が違うようです。
 しかも、何故か殺害しようとしている、お調子者、歌舞伎者とかつては軽く見ていたカダフィ大佐の言葉を、西側諸国は鵜呑みにしている。どうしてなんでしょうね…?



■何故暴動?

 民主化の風、と言うのと無関係ではありませんが、それは時期的、感情的なもので、リビアの場合はいわゆる民主化ドミノとは実情が違うようです。
 というか、そもそもよく考えたらおかしいと思いませんか?
 時期的に盛り上がったのは確かですが、「民主化の風」って何なんでしょう。アメリカが勝手に付けた、凄いおおざっぱな、強引な言い方ですよね。
「独裁からの脱却の風」という辺りがどのアラブの国にも当てはまりそうです。

 この方が言うには主に原因は3こ。

○独裁政権の基盤が不十分なためにおこる都市部での失業率の高さ。
○国家の資産があまりにも大量にカダフィのポケットに収まっていく状況。
○大学生が公開処刑にされ、市中を引き回された。(言論統制)

 民主化を求めていると受け止めることも出来ますし、暫定政権は民主化に向けて動いていますが、いわゆる我々が思っている民主主義国家を作ると言うこととはニュアンスが若干異なるようです。
 どちらにせよ、西側が用意する西側の意向に沿った新政府では、間違いなく上手くいかないでしょうね。有力な暫定政権があるわけですから、それを援助し、彼らがどう自分たちの国を作るのか、黙って見守るべきところが、一番正当な「人として」取る道ではないでしょうか?
 こう書くと、とても無理なような気がしてきましたが…。つまり、西側諸国の干渉のない政府が出来る事などあり得ない感じがしました。

「ソマリア、アフガニスタン、イラクを忘れたのか!?」

 と、呼びかけておられます。これらはともに、西側諸国…特にこの場合はアメリカが用立てた「民主主義」新政権が、結果国家自体を潰していることに対し、警鐘を鳴らしているのだと思います。



■リビア人は部族主義か、愛国心は弱いのか?

 いえ、これも西側諸国の認識が的を得ていないと言うことのようです。
 先ほども書きましたが、カダフィ政権で国営放送で流されていたものは、決して信用に足るものではありません。
 確かに独裁政権のテレビなんて、信じられません。日本人がイメージしやすいところで考えれば…北朝鮮の報道をすべて鵜呑みにして、それを元に西側諸国が政略を立て、国家介入しようとしているようなものです。
 外交が弱い日本でさえ、北朝鮮の国営放送を鵜呑みにするほど馬鹿ではありません。それなのに、何故かリビアの場合はカダフィの国営放送の内容を盲信している部分がある…。

 そうです、「部族社会」は間違っているわけではありませんが、西洋では大袈裟すぎるとおっしゃられています。
 反カダフィ派の人々は勿論ですが、独裁に押さえつけられていた国民も、国民達みんなでカダフィ独裁の辛酸を41年間延々なめ続けていたわけです。つまり、カダフィ政権の抑圧により、国民が一体感を持っている。つまり、ナショナリズムは強いと言うことです。カダフィ王国はイヤだが、リビアは好きだと言うことだと思います。

 何となくやはり、一部西側諸国は、暫定政権に何かしら不都合を感じているのではないでしょうか?
 しかも、どうも明らかにカダフィを亡き者にしようと躍起になっているような部分が見え隠れします。ロシアの「カダフィ大佐を殺すのは、ちょっと違うんじゃないの?」
 的な発言に、私は納得しました。なんかイヤな感じで介入していきますよね…。多国籍軍。
 現在リビアで一番有力な暫定政権を応援すれば良いだけのハズなのに、何か先走っている感はあるような気がします。
 利権闘争なのか…やはり何かが欲しいのか…。
 しかも、暫定政権はリビアそのものに近いはずなのに、何故軽視…?

 実際にリビアで聞いたそうなのですが、暫定政権内では国家運営の士気が高いそうです。
 しかも、きちんと知識層がいるため、安定した国家の舵取りをするための段取りなど用意しているようです。勿論、国際社会が介入し、非常に複雑で抜け穴が非常に小さい状態もきちんと理解した上での国家運営です。そして、非常にリスクが高いことも認識し、それでも士気は強いそうです。


(追記)
 なるほど、ここまで多国籍軍がカダフィ大佐を亡き者にしようとした意図が分かってきた感じがします。ロシアの存在があるのかも知れません。ロシアはカダフィ大佐を援助するつもりがあるのかも知れません。これは、多国籍軍もロシアも、当のリビア国民のことは置き去りな感じがしてきました。利権争い…と見ることが出来るかも知れませんね。
 暫定政権が立ち上がっている現在の状況からすれば、アメリカもロシアも、やはり黙って援助するだけにして欲しいですが…。そうは収まることはなさそうです。この世界のどこが民主主義なのか…
 このアルジャジーラの報道が伝えるように、多国籍軍やロシアが帝国主義の権化に見えてきました…。
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